「おいしい」を作る人たちの、想いと暮らしかた。
熊本でサンドイッチ屋さんといえば??
そう。 ほとんどの人があの“萌え断”で有名な「TATOMIYA(タトミヤ)」のサンドイッチが思い浮かんだはず!
熊本に移住して2年の私が「sandwich&café TATOMIYA」を知ったのは、まだ熊本に来て2~3ヵ月のころ。
だれかのInstagramの投稿でたまたま見かけたのがきっかけでした。
写真のサンドイッチの断面がなんとも美しくて、美味しそうで、「なんだこれは…!!」と衝撃を受けたのを覚えています。
2年半ほど前にオープンした「sandwich&café TATOMIYA」があるのは、熊本市南坪井。
お店に入ってすぐドライフラワーのアーチがお出迎えしてくれる、ブルーの壁がとてもおしゃれな店内には、テーブル席からゆったりくつろげるソファ席まで用意されています。
ナチュラルな雰囲気で落ち着く~。
街中からは少~し離れてますがいつもお客さんが多く、昼過ぎから夕方には完売してしまうほどの人気っぷり。(私も何度か買いそびれました)
この日の取材中も、オープンしてすぐからもうお客さんがちらほらいらっしゃってました。
それもそのはず、「TATOMIYA」のサンドイッチに使用している鮮度の高いフルーツや野菜は、契約農家さんから仕入れたものか、ご夫婦自ら市場の「競り」に出向き品定めして手に入れたものしか使わないというこだわりよう!
だからいつも美味しいんですね~。納得!
特にフルーツサンドはフルーツの旬に合わせてメニューを変更しているので、その時期にしか味わえない「期間限定サンドイッチ」が旬ごとに楽しめてしまうという、お客を飽きさせないサンドイッチ屋なのです。
そんな人気のサンドイッチ屋さんを営んでいるのは、絵になるおしゃれ夫婦、宮川 毅尊さんと美香さん。
お店の名前は、「たける」と「みか」の「家」の頭文字を取って「TATOMIYA」。
そんな意味が込められてたんですね、 素敵です。
こんなに美味しくておしゃれなお店をしてる人って、どんな暮らし方をしているのか気になる!!
・・・というわけで、お店のことからプライベートのことまで、奥様の美香さんにいろいろお話を伺ってきました!
— 熊本でサンドイッチ専門店って珍しいですよね。
どういうきっかけでサンドイッチ屋さんを始めようと思われたのですか?
実は最初は「サンドイッチ屋」ではなく「ダイニングバー」としてお店をオープンしたんです。
そのうちにランチも始めることになりサンドイッチを出すようになったのですが、そのサンドイッチを求めてきてくださるお客さんがすごく多くて。
求められるままにちょっとずつ昼の営業時間を延ばしていき、最終的に夜の営業を辞めてお昼のサンドイッチ屋さんとして生まれ変わることになりました。
— 食材にすごくこだわられていますが、他にはどういった事にこだわっていますか?
食べた人の「思い出」に残るサンドイッチやお店にしたいなという想いがあって、サンドイッチのネーミングは、毎回結構考えてつけます。
だってみなさん、「思い出」にお金使いたいと思いませんか??
外食って、驚きと発見がなかったらお金を払う価値ってどこにあるんだろうって、私達は思うんです。
いい食材を買うことなら誰でもできるし、レシピがあれば家でも作れる。
「Melo Melo MELON(メロメロメロン)」とか、インパクトがあって記憶に残るじゃないですか(笑)
「なんか変な名前のサンドイッチだったな」とかそんな風にでもいいから、「思い出」をちゃんと残してもらいたい。
だから「見た目」も「味」も「ネーミング」もすごく考えて作っています。
— ご夫婦もスタッフのみんなさんも、すごく仲が良さそうですね!
毎日を楽しく過ごすために大切にしていることなどはありますか?
優しくなろう、しよう、というのはいつも心掛けていますね。
特にスタッフのみんなは、私達夫婦のやりたい事やわがままに付き合ってくれてる。
たとえ自分たちに余裕がないときでも、一緒に働いてくれているみんなの様子や、表情、声っていうのは一番気にかけるようにしています。
だから「この子昨日夜ちょっと遊びすぎたな~?」とかそんなのもわかりますよ。
お母さんみたいな感じで(笑)
でもそういう気持ちはこれからもすごく大事にしたいなと思っているし、そう思わせてくれたのはスタッフのみんなです。
主人と2人だけでお店をやっていた時は、疲れとか悩みとかがぶつかり合ってケンカも多かったんです。
でもスタッフのみんなが入ってきてくれたことで、「あ、ここでケンカしちゃいけない!」と冷静になれたりとか「この子たちがこんなに頑張ってくれてるから、私たちも頑張らなきゃ!」って思わせてくれるんです。
本当にスタッフのみんなには、いつも元気をもらってます。
— 「TATOMIYA」の目指す、居心地の良さとは?
誰かが引っ張っていくというよりは、みんなで一緒に作っていく感じを目指せたらいいなと思っています。
上下関係ではなくて、横に手を伸ばしたら仲間がいるという感覚。
なので、チームワークや思いやりはすごく大事にしていますし、みんなにも大事にしてねって日頃から伝えてます。
そして私達としては一緒に働いてくれてる人たちの想いを一番大事にしたいので、その子たちが「やりたくない」って言うことはやらないし、その子たちが「やりたい」って言うことは、それに向かって一緒に頑張りたいと思う。
結局のところ、仲間やお客さんと一緒にみんなで楽しい時間が共有できる場所があれば、それでいいんです。
だからもしお客さんに「これ美味しくないよ」とか「これおもしろくないよ」とか言われたら、素直にスグやめると思います!(笑)
— それってすごく素敵です!
ご夫婦の中で毎日欠かさず行っている習慣とかってありますか?
朝、絶対に「おはよう」を言い合うことです。
そして一緒に出勤してきて、一緒に仕込みをしながら、一緒にコーヒーを飲む。
たまに朝ひとりで出勤して、ひとりでコーヒーを飲むこともあるんですが、「なんか違うなー」と感じます。
なんかしっくりこないというか。
別に健康のためとかでもなくてただの習慣ですが、当たり前に毎日あるものがなくなると嫌だなって思います。
— お休みの日はどんな過ごし方をされていますか?
お店を始めてしばらくは毎日パワーを使い果たしてたので休日はひたすら寝ることが多かったのですが、やっとここ半年くらい体力にも時間にも少し余裕が持てるようになり、出かけることが増えました。
普段お世話になっている人のお店に食べに行ったり会いに行ったりすることが多いですね。
家で過ごす時は映画を観たりして仕事のことを考えない時間を作るようにしています。 何か別のものに集中していないと、ずっと考えてしまうので・・・(笑)
あと、最近では台湾旅行にも行ってきました!
台湾は朝食文化やテイクアウト文化が根強い国なので、朝早くから営業しているサンドイッチ屋さんとかテイクアウト専門の屋台とかがいっぱいあって。
うちとちょっとリンクするところがあったので見てみたかったんです。
自分たちでは考えつかないような現地感溢れるサンドイッチが出てきたり、不思議な謎飯がいっぱいありましたが (笑)、やはり知らない土地に行くと何かしら自分たちのやっていることに落とし込めるものがあり、得るものはありました。
楽しかった!
— 自分の知らない世界を見て感じることって、大事なんですね。
最後に、ご夫婦として、お店としてのこれからの未来図を教えてください!
そもそも私達は「時間とお金は自分たちで生み出すもの」という想いから自営業を始めたんです。
これから子供もできて家族も増えていくだろうし、今よりブラッシュアップして時間の使い方や生み出し方をもっと磨いて行きたいなと思っています。
そして今後はもう少し余裕を持った自分たちの生活スタイルを実現していくことが目標です。
お店としては、絶対サンドイッチじゃなきゃ!とか、一生サンドイッチ屋!とかは思ってなくて、みんなが楽しくて、みんなが求めている方にどんどん膨らんでいけたらいいなと思ってます。
あとは、一緒に働いてくれてるスタッフ達が「楽しい」とか「やりたい」と思っている形を実現していきたい。
これから自分でお店を出したいと思っている子たちもいるので、そういう子たちの足掛かりになるような、ステップアップできるような何かがうちでできればいいなと考えています!
「sandwich&café TATOMIYA」に魅了される人が続出する理由、わかった気がします。
美味しいサンドイッチを提供するだけでなく、「人の想い」をすごく大切にされているのがお話してくださった美香さんからひしひしと伝わってきて、なんだかじんわりと胸の奥があたたかくなりました。
もともと「TATOMIYAファン」のひとりである私ですが、今回ご夫婦の想いや並々ならぬこだわりを聞いてまたさらにファンになってしまいました!
次の新作フルーツサンドは何かな~?と、もう今からワクワクしております♪
まだ行ったことがない方も行った事あるよっていう方も、「TATOMIYA」という名前の通り、お二人のお家に遊びに行くような感覚でぜひ足を運んでみて欲しいお店です。
sandwich&café TATOMIYA(サンドイッチ&カフェ タトミヤ)
[ 住所 ] 熊本県熊本市坪井2丁目1-45
[ Tel ] 096-321-6500
[ 営業時間 ] 10:00-19:00 (L.O17:00)
[ 定休日 ] 火曜日